ちょっと前に、某社のコレクションホールに取材に伺いました。
以前、当ブログでもお名前の挙がった「尾熊洋一氏」のご紹介で、専属のスタッフの方とお話しする機会に恵まれたのでした。
すでに「尾熊氏つながり」って事で、どこのメーカーかもバレバレですねw
ツインリンクもてぎにある、ホンダコレクションホールです。
こちらで、レストアを行う専属スタッフの方とお話してきました。
ここは、ホンダの社内的にも結構競争率の高い部署なんだそうです。
それはそうでしょうね。
他で触ることが出来ないちょっと前まで現役だった本物のレーサーや、もうどこを探しても手に入らないような、貴重なビンテージカー&バイクが置かれていて、それら全てが動態保存だ、と言うのですから。
基本的には、全ての機械が、定期的にメンテナンスもしくはオーバーホールを受けて保管されています。
これは機械好きにはたまらないパラダイスです。
自分も働きたいですもん(笑)
とは言え、残念ながらそうも行きませんので、お仕事のお話に移らせて頂きました。
当初我々は、コレクションホールででも使っていただけないか、と、若干の期待を持ってコレクションホールを訪れました。
まぁ、「生産状態での動態保存」が、基本概念である、と言う事も聞いてはおりましたので、おそらく無理だろう、と思ってもいたのですが。
で、結局そっちの方のお話は、やはり生産状態での動態保存が目的なので、後から何かを付けることは出来ない、と、やんわり断られてしまったのでした。
が、我々は、そこで貴重なお話を伺いました。
「エンジン始動前にオイルを流す、プレオイリングシステムがこちらです」と、ZIP-STARTをお見せした所、スタッフの方お二人が声を揃えて
「ああ、F1に使っているのと同じものですね」とおっしゃったのです。
「もっと詳しくお話を」と聞く我々に
「当社の作るF1エンジンには、始動前にオイルを流すシステムが標準で装備されているんですよ。」と教えて下さいました。
F1エンジンの場合、始動磨耗も性能劣化の要因として、決して侮れないと言うことなのです。
もちろんプレオイリングシステムが無くてもエンジンは掛けられるけども、厳しい世界で戦うエンジンです。
わずか数%の劣化でも、性能の落ちたエンジンに用は無い、と言うことなのです。
我々は、コレクションホールでZIP-STARTを使ってもらう、と言う希望はかないませんでしたが、とても良いお話を聞かせていただいた、と、満足して帰路につきました。
四輪F1の世界で使われ、それが性能維持に役立つから採用されているシステムが、市販エンジンに対しても有効である事は、疑問を持つ余地が無いからです。
以前紹介した大型船舶のエンジン始動法(こちらもご覧下さい)も含め、必要とされる場所には採用例のあるプレオイリングシステム。
自動車やバイクに採用されないのは、それらが「消耗品」である、と考えられているからに過ぎません。
「車やバイクは消耗品」と割り切って、ある程度のサイクルで買い換える人には、確かに必要の無いシステムでしょう。
しかし、それらの機械をより長く好調に使いたい、と考える人にとって、プレオイリングシステムは、価値のあるものだと思います。
こちらもぜひご覧下さい。
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