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2011年7月26日 (火)

最近良く聞く「ブレーキとアクセルの踏み間違え事故」について。

先日、近所で複合施設の駐車場から自動車が転落して、60代の男性が重傷を負う、という事故がありました。


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車転落:スーパーの駐車場3階から 男性重傷--江東 /東京

 22日午前8時20分ごろ、江東区亀戸2のスーパー「コモディイイダ亀戸店」に隣接した立体駐車場3階で、乗用車がフェンスを突き破り、スーパー敷地内の通路に転落した。車を運転していた60代の男性が右足の骨を折る重傷を負って病院に搬送された。命に別条はないという。

 城東署によると、男性は「バックで駐車しようとしてブレーキとアクセルを踏み間違えた」と話しているという。巻き込まれた人はいなかった。

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以上は毎日新聞の記事からの抜粋です。
ここは、自分の子供のお気に入りの滑り台がある公園の近くです。
自分の住環境の近くで発生した事故だけに、とても気になりました。

そこで思った事を書きます。



自分は以前から「どうして分からなくなったら、ブレーキとアクセル両方踏め」と、誰も教えないのだろう、と、疑問に思っていました。

駆動力と制動力を比較すると、制動力の方が圧倒的に上回っているクルマがほとんどなのにも関わらず、です。

例外は、ブレーキ、アクセルとも踏力が5kg以下であるとか、そう言った場合は、軽くてべったり踏めるアクセルの方が踏み込めてしまうので、クルマは動きます。
しかしパニックでどっちも思いっきり踏み込んだら、クルマは動きません。





そこで疑問に思って、いろいろと検索してみた所、とある自動車評論家の方の書いてある記事が目に留まりました。

そこには「同時踏み=エンジンパワーの勝ち! マスターバックの負圧減るため、ブレーキの効きも落ちる。」などと書いてあったのです。

自分は驚きました。
自動車評評論家が、こんな事を書いていいのかと。





自分は2級整備士免許を持つ身でもあります。

ちょっとこの話を検証してみましょう。

結論から先に言うと、ほとんどのクルマは「ブレーキの方が勝ちます

まず、マスターバックについて。

ブレーキの倍力装置である「マスターバック」は、ガソリン車の場合、吸入管の負圧で倍力(パワーアシスト)しています。

スロットルバルブが全開になった時点で、吸入負圧は小さくなります。
これは真実です。



しかし、マスターバックには、チェックバルブ(逆流防止弁)が入っており、吸入負圧が最も大きい状態でチェックバルブは閉じ「一回ブレーキを踏んで離したその後」で、最大の負圧を維持しています。
つまり、ブレーキを踏んだ時点での負圧で作動しているのではなく、そこまでで最も大きい負圧を使って倍力しているのです。


次に負圧を吸い込むのは、ブレーキペダルから足を離した時点。
マスターバック内部のダイヤフラム(ゴムの仕切り)がブレーキペダルから足を離して元の位置に戻る時であり、ブレーキを踏んだままアクセルを踏んだからと言って、一度マスターバックの中に発生した負圧は、チェックバルブで保たれているために低下しません。

つまり「ブレーキを踏み直さない限り、マスターバックの負圧倍力は低下しない」のです。


ぜひ、あなたのクルマで試してみて下さい。
「エンジン停止後に、何度かブレーキを踏んでみる」
一度目だけブレーキペダルが深く入り、その後はブレーキの踏み代が浅くなるはずです。

一度目はチェックバルブの効果で、マスターバックの中に負圧が残っているため、エンジンは止まっているのに、負圧倍力しているためです。

2度目以降の、浅くなる踏み代は、マスターバックの中の負圧が開放され、倍力しなくなるためにブレーキの油圧がダイレクトに足にかかっている状態なのです。

つまり、アクセルを全開にしていて、インテークマニホールド内の負圧が低下していても、一発目のブレーキでは関係無い。

その証拠なのですね。







そして他にも。

ブレーキとアクセルを同時踏みすると、クルマの動きは止まります。

これはATミッションの「ストールテスト」という手法がある事で断言出来ます。

ストールテストとは、ブレーキをしっかり踏んだ状態で、シフトをDレンジに入れてアクセルを全開にして、その時のエンジン回転数でミッションの滑りを判断する、というものです。

もしエンジンパワーの勝ちならば、このテストは実行不可能です。
自分は何回かやっていますよ。







もう一つ。

ブレーキとアクセルで、アクセルが勝ち、という言い分は、自動車のテストででも「嘘」と証明出来ます。

これはどなたのクルマでも出来る事だと思いますが、やるなら周囲にはくれぐれも注意してやって下さい。

まず加速。
アクセルべた踏みで「0km/h→60km/h」の時間と距離を測ります。

次に減速。
フルブレーキして「60km/h→0km/h」までの時間と距離を測って比較してみて下さい。

まずよっぽどブレーキが効かない壊れたクルマを除いて、まず後者の方が速く短く止まると思いますよ。


加速も減速も、同じ速度なら運動エネルギーの総量は同じです。

つまりクルマは「加速よりも減速」の方が得意な機械なのです。

もちろん、アクセルべた踏みのままで、ブレーキ踏力を加減した場合は別です。
パニックブレーキで踏ん付けていれば、クルマは動かないのです。








冷静に出来るかどうかは別の問題として「分からなくなったら同時に踏め」というのは、人に教える事として、決して間違えているわけではないのです。

そしてブレーキとアクセルを思いっきり踏んで、その状態でキーをオフにするなり、シフトをNやPにすればいい。

いざと言う時には出来ないかも知れません。
出来ない可能性の方が高いかも知れません。
それでも「全く知らない、考えた事も無い」よりは、知っておいた方がいい事であるのは間違いないはずです。

ステアリング周りに貼るための「分からなくなったら同時に踏め!踏んだらNかPへ入れろ!」と書いた小さなステッカーを、シルバードライバーに配るだけでも有効な手段であるかも知れません。




そしてまた、アクセルとブレーキの踏み間違え事故、とは、立体駐車場から落下するだけの事故ではありません。
歩道に乗り上げ、歩行者を次々とはねるような事故もあります。


この時、クルマを止めるには及ばずとも、アクセル全開の時の駆動力が100として、ブレーキを踏み付ける事で、その駆動力を削る事が出来れば。
100の力を50や30にする事が出来たら、それだけでも、たとえ怪我はしても人は死なずに済むかも知れない。




動かないクルマの中でアクセルを全開にしたままブレーキ目いっぱい踏んでパニクっている人がいれば、クルマの横から近づいて、「キーをオフにしろ!」と怒鳴る事ぐらいは出来るかも知れないじゃないですか。





アクセルとブレーキの判別が分からなくなってパニックになった人が、アクセルと同時にブレーキを目いっぱい踏む事は、クルマが危害を与える要因である「運動エネルギーの暴走」に対し「運動エネルギーを減らす方法としてのブレーキ」は、有効な手段であるはずです。

自動車評論家の方には、ぜひこれをしっかりと考えて頂きたいと思います。






踏み間違える人間がバカなんだ、と言えば、その通りかも知れません。
しかしその「バカの踏み間違い」で、人が死ぬ事もある。

踏み間違えた本人だけではなく、全く関係の無い他者が犠牲となる事だってあるはずです。

「クルマが人を殺す」一つの例として、どうにかこう言った事故を減らすべく、「今すぐ、街中を走っているクルマとドライバーに出来る対応が無いのか」を、考えて頂きたいのです。



自分の意見が、全く議論にも値しない愚者の妄言だとおっしゃるなら、そう言って頂いても構いません。

何か、良いアイディアがあるなら、それを公開して頂けませんか。


私は、自分の知識と経験から「思いっきりブレーキとアクセルを同時に踏ん付けたら、ほとんどのクルマは止まる」という事を知っているつもりです。

そしてそれが「不幸な事故を減らす手段」となり得るのではないかとも思っています。




「これから出るクルマに有効な対策を施す」事も大事だとは思いますが、今走っているクルマ、今運転している人に対するアドバイスも、また重要だと自分は考えます。


ぜひとも「クルマを凶器とする」ような不幸な機会を減らすべく、考えて頂けたら幸いです。





ps

正直、ZIP-STARTのためのブログで、有名な自動車評論家の先生に対してこのような事を言いたくはないのが本音です。

だって敵増やすの嫌ですから(笑)


でもそれ以上に、不幸な事故を減らしたいという思いの方が強かったのも事実です。

ぜひ皆様にも知って、考えて頂ければ幸いです。
よろしくお願いいたします。

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